愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 女のしゃべりかたというもんには、間、がありませ。

向田邦子がこんなことを書いている。「大体、話をしとって、女のしゃべりかたというもんには、間、がありません。よくいえば、立て板に水を流すごとしだが、ペラペラぺラと調子ばかりよくって、味わいというものがない。それに、女はしゃべとって、もうちょっとでも間があくと、どうにもいてもたってもおられないといったふうで、あわてて、何ぞ話をさがしてきちゃ、くだらんことをいっとる。たまには、だまってそこにおる、ちゅうことが出来んのかねえ。」一つ付け加えれば頻繁に笑う。そうそう、まったくその通りのおばさん連中を何組か知っている。彼女たちはパチンコ友達で毎日会って、毎日、山と話題が尽きない。おそらく、年、365日会わないと気がすまず、パチンコが趣味で、若し店が無くなれば廃人と化すかもしれない種族なのだ。ああ、嫌だいやだ。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。向田邦子の優れたところは観察眼です、彼女のエッセイはだから面白い。おやすみなさい、また明日。