愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 卵のデッサンを死ぬまで続けた

卵の形で思い出すのは、マチスのエピソードである。この人は大変な努力家で、毎日卵のデッサンを死ぬまで続けたというのである。私は全く絵心のない人間だが、卵というものはどう描くのかと思って、やってみた。実に難しい。どうしても卵にならない。丁寧に描くと石ころかじゃがいもになってしまう。肩の力を抜いて、一息に描くと、鳥の子持ちになってしまうのである、と、向田邦子は書いている。そういわれればそうだと思う。ただ楕円形に描いてだけでは卵にならない。どうやって描けば卵になるのか、これは単純な形だけに難しいわけか。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。カフェの店員で仲のいい女の子がいる。二年ほど前に年を訊いたら48だと言うのでビックリした。てっきり34歳ぐらいだとばかり思っていたが、すでにバツ2で二人の子持ちだというではないか。昨日、改めて「もう50になった」と訊くと「まだ、でももう直ぐ」だと言う。逆に訊き返されたので「二つ上」と答えたら「52!」と驚いた顔。「いや、もう少し上」と言い直すと「56ぐらいかな」だってさ。卵の形ばかりか人の年を当てるのも難しくなった二人だった。おやすみなさい、また明日。