愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

失楽の庭 中河与一

中川与一の本を読むのは3冊目だが、これはえらく古い作品だ。奥付を見ると初版が昭和25年10月となっている。故に全編、旧字体で、舞台は民国30年5月6日の北京から始まり、終戦後の民国35年11月の青島で終わる。つまり昭和20年5月6日からの話で、主人公は日本の若き女性で、学生時代から尊敬している教授と恋に落ち、共に別人と結婚するが、思いを断ち切れず、その気持ちを日記、手紙にひたすら書き母に送るという想定だが、まあ、あまりにも恋一筋の思いの丈の話なので、私には少し合わない話だ。