愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 サマセット・モーム

通俗性の皮を一枚一枚剥いで行った後に、サマセット・モームの場合、果たしてラッキョの皮をむくようになに一つとして残らないであろうか。モームの作品は一切の通俗性という皮を剥ぎとってしまった最後に、人間の不可解性という、常に最後の核にぶつかるのである。人間は彼自身にさえどうにも出来ない、複雑きわまる矛盾の塊である。いわば、永遠の謎なるものとしての人間の魂を描くこと、これが彼の一生を通じて歌い続ける唯一の主題であるいってよい。人間は多面性の部分を持つ動物ですからね、他人を知ることは本当に難しい、ましてや異性ならなおさら。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。これから台風シーズン、大変ですね。また明日、おやすみなさい。