愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

告白 湊 かなえ

本書はミステリー仕立てになっているが、それとは知らず読んだ私には予想外の本だった。

構成からして意外で「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まるり、語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく手法だが、初めから犯人が誰だか知っている女性教師は、生徒を刑事告発するでもなく、心理的に徐々に追い込んで苦しめるという復讐劇のような作品だ。