『清談について』茨木のり子
清談をしたくおもいます
物価 税金の話し おことわり
人の悪口 噂もいや
我が子の報告 逐一もごかんべん
芸術づいた気障なのも やだし
受けうりの政談は ふるふるお助け!
日常の暮らしからは すっぱり切れて
ふわり漂うはなし
生きてることのおもしろさ おかしさ
哀しさ くだらなさ ひょいと料理して
食べさせてくれる腕ききのコックはいませんか
私もうまくできないので憧れるのです
求む 清談の相手
女に限り 年齢を問わず 報酬なし
当方四十歳(とし、やや、サバよんでいる)
人と話せば必ず、病気、孤独、身の上相談となるのが老境の習いだというが、茨木のり子は愚痴に類することは一切、口にしない強い女性だったらしい。
悪口、自慢、世間話しが好きな女性は多いが、この詩を読んだらどう思うか。
司馬遼太郎さんは世俗的な話しを殆どしなかったと聞くが、司馬さんや茨木さんのような先輩と交流を持ったら、自ずと身の引き締まる会話が持てる気がするが、如何せん、こちらの知識が足りません。
司馬遼太郎さんは世俗的な話しを殆どしなかったと聞くが、司馬さんや茨木さんのような先輩と交流を持ったら、自ずと身の引き締まる会話が持てる気がするが、如何せん、こちらの知識が足りません。
そればかりか、病気、世間話しを常にしている私では相手にすらしてもらえないだろう。