愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

韓国現代詩選

人を探しています
年は はたち
背は 中ぐらい
まだ生まれた時のまんまの
うすももいろの膝小僧 鹿の瞳
 
ふくらんだ胸
ひとかかえのつつじ色の愛
陽だけをいっぱい入れた籠ひとつ頭に載せて
或る日 黙ったまま 家を出て行きました

 

誰かごらんになったことありませんか
こんな世間知らずの ねんね
もしかしたら今頃は からっぽの籠に
白髪と悔恨を載せて
見知らぬ町 うすぐらい市場なんかを
さまよい歩き綿のように疲れはて眠っていたりするのでは

 

連絡おねがいいたします
宛先は
私書箱 追憶局 迷子保護所
懸賞金は
わたしの残った生涯 すべてを賭けます
 
洪允淑 ホン・ユンスク
 
茨木のり子の本を通じて初めて知った。