愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 【色即是空】

水上勉という人は子供の頃、寺に住み込み小僧のようにして働いていたらしいが、作家になってからは雁の寺など寺に関する小説も多い。その水上が『一休』の中で、このように書いている。「森よ、この世は色即是空、色あって色は空なり、万法みな色あり、しかして空なり、そなたこそわが仏なりとて」【色即是空】とは、現世に存在するあらゆる事物や現象はすべて実体ではなく、空無であるということで、仏教語だが。「色」はこの世のすべての事物や現象。「空」は固定的な実体がなく空無であることと難しい。般若心経では,仏性平等を空,因縁生を色と呼び自然界を色即是空,空即是色と自覚しており、生き仏さまと自覚しており死んでから仏さまになるという宗派もある。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。わたしはこれまで「生き仏」と解釈してきたが、やはり少々違うのか、或は大分違うのか。おやすみなさい、また明日。