愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 死刑から罪一等を減じ、目潰しの処刑が行われていた

日本は頑なに死刑制度を守っているが、それは多くの国民が死刑制度を支持していることに他ならない。かつてインドや西アジアでは、死刑から罪一等を減じ、目潰しの処刑が行われていた。実際、目を潰されてもいいから死刑を免れたいと訴える死刑囚は日本にもいた。自殺の代替として目を潰して、一生償いのため生きるというのであれば、納得する被害者の遺族もいるに違いない。償いとはそれほど残酷で、悲惨なものだった。現代の被害者が殺人犯に報復することを一律にあたかも罪悪であるかのように考えるのは、人権の歴史を知らないからである。武士が責任を取って切腹したのはまさにそれで、そのとき初めて死刑から無期懲役減刑しても良いという判断ができるのであって、言葉で何年も懺悔したところで、殺人を反省する気持ちを表したことにはならないし、それをどのように認めるかも極めて難しい。死刑廃止の運動に対抗して、殺人犯を必ず死刑にする運動があってもおかしくない。倒錯した正義の名の下に、加害者のわずかな罰を代償にあの世に旅立つ被害者の怨念は、限りなく深いのである。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。おやすみなさい、また明日。