愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 今日が最期の日になるかもしれない

私はこれまで幾度となく入院してきたが、心筋梗塞のとき以外は毎日、ベッドで、或は食堂で読書を怠ったことはない。心筋梗塞の期間は腕に5本も注射針を刺され、オシッコは尿道に管を差し込まれバケツに垂れ流しなので、身動きが取れず、さすがに本が読めないが、癌治療の入院時は予め本持参で行くので読書は欠かせない。読書は心のバロメーターと心づけているので、気持ちが乱れては本は読めない。併し、自分に打ち勝つつもりで平然とページを捲ることを心掛けているので、慣れたものだ。だが、ちょっとばかり心が乱れる期間がある。それは病名を宣告されるまでの間、何度もよぎる転移という文字。今回は腰に傷みを伴うだけに早く決着をつけたいと多少の苛立ちも加味している。そんな中、「ガザの子供4300人死亡、20年以降に世界の紛争で殺害された子供の総数上回る…国連報告書」という記事を読んだ。6000人以上のガザの子供が、父母のいずれかを亡くしたという。夜の情報番組でガザに住む女性ジャーナリストが朝起きると「今日が最期の日になるかもしれない」と送られてきた電信を読んでいると、毎日、爆撃の中で生きることの怖さ、水は1日、平時の5%しかなく、それも濁ったものばかりで食料もない。未だ明らかになっていない数千の死体は瓦礫の中。バイデンの再選はなくウクライナの勝利も夢と消え、もう何もかも終わってしまえ。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。おやすみなさい、また明日。