ご存知かと思うが、色川武大には今一つ、『麻雀放浪記』でヒットした阿佐田哲也というペンネームがある。
朝だ徹夜という意味で、彼は博徒として鳴らし、また、映画、芸能、ジャズと幅広いジャンルに精通していた。
そんな彼は食道楽の作家がよく書く、喰いたい放題となるわけだが、高級料理が趣味という訳ではなく、とにかく雑多な物を食べ、エッセーにしている訳だ。
特別、食い意地が張っているわけでもない私としては、この手の本を読んでも触感が動くというわけでもなく、そうか、色川武大はそんな生活をしていたのかぐらいな印象しかない。