愛に恋

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レンブラント《黄金の兜の男》

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おはようございます。「モーニング・アート」を始めます。

今朝の一枚は有名なレンブラントの《黄金の兜の男》ですが、どうも分からないので敢えてこれを選びました。

この作品は唯一、高倉健さんが偏愛した作品で、

「ドイツのヴィッテンべルクという小さな城下町の旅籠に泊まった時、そこの階段にかかっていた1枚がとても気になって見、それを買いたいと言ったんですが、どうしても売ってくれなかった。ただ、どんな絵なのか由来は教えてくれました。それで、僕も1年かけて、模写してもらいました。戦場から戻ってきた老兵の顔に光が当たっているというだけの小さな肖像画ですが、どうしても自分のものにしたくてねえ。今でも家の壁に掛けて、毎日、眺めてます」

と語っている。

それはいいとして、本物はベルリンのゲマルダギャラリーに展示してある記載されているが、2007年3月の毎日新聞にこんな記事がある。

オランダ最高の画家とされるレンブラント本人が描いた可能性のある「黄金の兜の男」という作品を、大阪市の会社社長が所蔵していることが14日分かった。油彩画修復の第一人者で、美術史家の黒江光彦・元国立西洋美術館主任研究官が鑑定した。長年真作と考えられてきたドイツ・ベルリン国立絵画館の「黄金の兜の男」は、弟子による工房作と86年に結論づけられ、真作の存在は謎のまま。黒江元主任研究官は、所蔵者の了解を得て、オランダ「レンブラント調査委員会」で評価を受けたいとしている。作品は、縦75.8センチ、横56.1センチで、ベルリンの作品よりやや大きい。社長が昨秋、亡くなった父親のコレクションを整理していて偶然見つけ、鑑定を依頼。黒江元主任研究官は、エックス線調査や、キャンバスの張り方など、約2カ月かけて詳細に観察・検討した。その結果、キャンバスを強く張るための工夫として、木枠の四隅にくさびを打ち込んでいることが判明したほか、キャンバスに地塗り顔料をへらでぬり込むレンブラント手法の特徴を確認した。最長の「モーニング・アート」になってしまったが悪しからず。さらに顔の立体感を表現する入念な筆遣いや、兜表面の細部を正確に写す切れ味鋭い技法が、レンブラント芸術中期の技法に合致。署名などはないが、表面のひび割れの状態などから、350年以上前のレンブラント一門による作品の可能性が高いと判断した。黒江元主任研究官によると、工房作と断定されたベルリンの作品と、今回見つかった作品の構図はほぼ同じだが、陰影の表現に大きな違いがある。ベルリンの作品に比べて、よりコントラストを強調し、兜や顔を浮き立たせているという。

 

2007年3⽉毎⽇新聞に『⻩⾦の兜の男』の⽇本での存在が発表された。
(その後は毎⽇新聞と朝⽇新聞が、作品の真贋を巡り中傷合戦となり法廷論争
に発展。論争を避けて作品は話題から姿を消し、現在は都内の収集家が所有。

で、一件落着なのか。