小さなプレートにはこのよう書かれている。
1945年10月17日
フレデリック・ショパンの心臓は、ワルシャワに戻ってきた
以下は彼の遺言。
・心臓はワルシャワに運ぶこと
・葬儀にはモーッアルトのレクイエムを演奏してほしい
・未完の作品はすべて焼却すること
1849年10月17日永眠、享年39歳。
この本を読もうと思ったきっかけはまったく不純な動機で、ある書評の中に・・・!
「今まで出逢った中で一番素敵な本。本当に本当に大好きな本」
と、書いてあったので、どんなに素晴らしい本なのか私も読んでみたくなった。
自身、クラシックやショパンの楽曲に造詣が深いわけでも何でもない。
書き手はエッセイスト堀内みさ、写真は夫の堀内昭彦なる二人だが共に知らない御仁。
19世紀の風景を今に伝え、日本と違い、ショパンが生きた時代、そのままの建物が現在まで残っていることに驚く。
それにしてもポーランド語というのは本当に発音し辛い。
保存されている生家の地名はジェラゾヴァ・ヴォラ、人口が60人という寒村。
父はバイオリニストで母はピアニストという音楽一家に生まれ7歳で「ポロネーズ」を作曲、貴族のサロンで演奏するほどの神童で、パリに出てからはハイネ、ドラクロワ、リスト、メンデルスゾーン、ベルリオーズと交友関係を結ぶとあるが、天才たちがどんな芸術論を話し合っていたか非常に興味深い。
島の定住先「風の家」は現在も保存され人が住んでいるというが行ってみたい!
私にとって旅の醍醐味はまさにこのような場所を訪ね歩くことなのだが。
しかし、著者はよほどショパン好きなのか誕生から死まで、現存するゆかりある建物の写真からその興奮が伝わってくる。
特定の人物をとことん研究してヨーロッパを探訪。
まさに理想の夫婦にして為せる技なのか、確かに嫉妬さえ覚える一冊だった!
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