愛に恋

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リボルバー 原田 マハ

発売以来、我が町の古本屋になかなか下りて来ないので、わざわざブックオフまで買いに行ったもので、とにかく読みたかった。原田マハの目の付け所が良かったのだ。リボルバーといってもビートルズリボルバーではない。ゴッホが自殺に用いた拳銃のことだ。その拳銃が現在実在するのかどうか私は知らないが、ゴッホが殺害されたという説を唱える人がいるというのは知っている。私も自殺にしては右利きのゴッホが左脇腹を撃ったというのはどうも解せない。誰にしても本気で死ぬなら心臓を撃つか、さもなくば口内を撃ち抜けば即死できるはず。それに脇腹を撃ち徒歩で家まで帰って来たというのも変だ。弾丸は一発しかなかったんだろうか、それならなおさら急所を撃たなければおかしい。本書はミステリー仕立てのように編まれた内容だが、さすがに美術の専門家、見事な小説で興味深かった。鍵はゴッホが自殺した日、ゴーギャンは何処に居たのか、それは誰も分からない。その日、ゴーギャンは密かにゴッホに会って、持っていたリボルバーゴッホを撃った?!あり得る話だろうか。今となっては全ての謎は解けまい。