愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 先祖は江戸人

私が生まれた昭和26年といえば、明治維新からわずか83年しか経っていなかったのであると。浅田次郎は言っている。それとて若い時分には遥かな歴史に思えたのだが、歳を食うほど「わずか」に感じられてきた。その伝でいうなら、大正生まれの父は維新の56年後に、祖父に至ってはたった30年後に産声を上げた。そんな風に数えてみれば、通り一遍に学んだ歴史が、にわかにわがこととして迫ってくると語っている。ということは、明治維新が1868年なので、祖父が1898年、父が1924年という計算になる。因みに私は村上春樹浅田次郎より年下だが、戦後第一世代には違いない。以前から謎のままだった私の先祖について、数年前に本籍地の市役所に問い合わて資料を送ってもらったことがある。元々、父の軍籍を知りたかったことから初めてみたのだが、結局、江戸時代まで遡って調べることが出来た。それによると父は1916年、つまり大正5年生まれだから浅田氏の父より年上ということになる。祖父は明治15年となっている。浅田氏の祖父が1898年ということは明治31年で、私の祖父より16歳も年下になってしまう。つまり曾祖父は江戸人で、文字が小さいので読みにくく難しいが文久三年と読み取れる。文久年間といえば攘夷決行、天誅の嵐が京の都に吹き荒れた頃だ。結論からいえば浅田氏の祖先より遥かに速く、私の先祖は四代前が江戸人だった、江戸時代は直ぐそこじゃないか。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。考えることは浅田氏と同じで、私の世代にとって江戸時代は遠い昔ではないのである。おやすみなさい、また明日。