愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 お葉

瀬戸内晴美に『鬼の栖』という小説がある。先日、石碑を載せたが、本郷の菊富士ホテルに夢二がしばらくいたいたことを知り、綺麗な縁を感じて、お葉のことを書いているが、瀬戸内は夢二の女たちの中では、お葉が一番好きで、小説になる人だと言っている。しかし、その当時、お葉はまだ存命で、夢二のかつてのモデルだといわれることを厭がっていると聞いたので、もう書くことはなく、幸福に暮らしておられ、今でも美しいと人づてに聞いていると語っている。そこで、お葉がいつまで生きていたのか調べてみると、1980年10月24日、76歳とある。つまり昭和55年まで存命だったわけだ。夢二が亡くなったのは昭和9年だから、どのような後半生だったのだろうか。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。誰しも別れた相手のことを思い出すことはある。20年、30年経つと、今でも元気にしているだろうかと気になる。とうに亡くなっているなんていうことがないように祈らざるを得ない。おやすみなさい、また明日。