愛に恋

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ゆきてかえらぬ 瀬戸内晴美

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なんか知ってい入るような事柄も含まれていると思って、昨夜、レビューを書こうと思ったら、2年前に単行本で読んでいた。

読んだかどうかも忘れてるなんて大丈夫かおい。

ともあれ、私の場合、瀬戸内寂聴になってからの本より、昔の晴美時代の伝記小説が好きで何冊かよんでいるが、本当にこの人の文章というのは、男女の機微や人の別離などについて、きめ細やかで素晴らしい。

本書は10年間で約600億円を使ったというバロン薩摩、幸徳秋水の妻、師岡千代子、偶然にも太宰の死後3年にして、その旧宅の近くに住むことになった瀬戸内晴美

丹羽文雄竹久夢二と彦乃など5編に分かれているが、中でも丹羽文雄と師岡千代子の件(くだり)などは名文といってよかろう。再読とはいえ、2年も経つと殆ど忘れ、再読後の方がより味わい深く読めたのではないかと思う。