愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」「救え、乳児の栄養失調」「行路病死、1日5人」

サツマイモは蔓まで食べ、イモは粉にしてふかして主食の代わりとした。ふかした紫色の粉は土が混じってジャリジャリしたが、それでも飢えをしのぐ足しにはなった。ニンジンの葉、ヨモギ、カボチャの種と、国民はウサギのようにあらゆるものを食べつくした。それでも餓死する人はひきもきらさず、身元不明の行き倒れ人は、ネズミの死骸をつまむように排除された。栄養失調で骨が透けてみえる家なき子も激増し、浮浪児、親にはぐれた孤児、捨て子は12万3000人余と、当時の新聞には出ている。「救え、乳児の栄養失調」「行路病死、1日5人」の記事が紙面を踊った。これがかつての日本の姿だ。今、ガザでは毎日の空爆で多くの市民が傷つき、食料、水、医薬品が底を尽き、国民は困窮している。イスラエルはシファ病院の地下にハマスの司令部を見つけることが出来ていない。若し、病院の地下に司令部がなかったとしたら、ジュネーブ条約違反でイスラエルは窮地に立たされ、それを支援したバイデン政権は試練の時を迎え、おそらく来年の選挙には勝てまい。ネタニヤフはハマスを殲滅すると言っているが、そもそもハマスは国家ではなく思想的な組織で根絶やしにするのは不可能。この戦争の落としどころはウクライナと同じく誰もが見えない底なし沼のようだ。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。おやすみなさい、また明日。