愛に恋

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幕末まらそん侍  土橋章宏

幕末の安中藩士たちが行う「安政遠足(とおあし)」を題材にした小説で、五代藩主・板倉勝明が安中城から碓氷峠までの二十八キロの「遠足」を藩士に命じた記録が、1927年に刊行された群馬県教育会編の『群馬県史』に書いてあるらしい。勝明は開明的な人物で、いち早く「西洋砲歩操」を導入し「遠足」は訓練のひとつで、これが日本のマラソンの発祥らしい。まったく知らなかった、単なるフィクションだと思って読んでいたが、実在した話だったんですね。安中城址には「日本マラソン発祥の地安中」という碑も建っていて、勝新太郎嵯峨美智子で『マラソン侍』として映画化もされているが、こちらも知らなかった。