愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

「ムーンライト・セレナーデ」 福田蘭堂こと青木繁の息子

明治38年の夏がきた。子供の生まれる日が近づいて繁は福田たねを伴い、思い出深い房州へ行った。一文の銭もなかった。困り果てた繁はワットマン(画用紙)に浮世絵を描いて生活の道をたてることを考えた。四つ切りに水彩具を塗りつけ、『日本絵師出雲朱彦(?)』と署名しては、たねを船に乗せて横浜へ走らせた。絵を外国人に売るためである。貿易商に一枚五十銭で仕切ることにしたが、売れても、おいそれと銭は呉れなかった。後の福田蘭堂こと青木繁の息子が書いている。今日、『報道特集』を見ていたら住所不定、無職、貯金なし、ホームレスの娘が妊娠して出産。三日後には養子縁組で子供を手放すと言っていた。また、他の娘はパートナーと連絡が取れないとも。セックスしたけりゃ自由にどうぞと言いたいが、育てられないのを知りながら避妊しないというのはどういう了見だ。男も男だ。さして愛情のない相手と交わりながら中出しして後は野となれ山となれか。子供はいい迷惑だ。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。私は物心ついた時にはもう母親は居なかったが、父は戸籍上は結婚した後に離縁している。幸い養子にも出されなかった。子供は父母どちらにしろ血のつながった親がいいに決まっている。おやすみなさい、また明日。