現代作家に村松友視と言う人が居るが、その祖父が明治22年生まれの村松梢風となる。12話からなる短編集で、それぞれに違った女が登場、12人の女との出会いと別れが書かれている。
意外なことに戦前の女はみな身持ちが固いと言っては大違い。
中年になった梢風は20代の女性と、どういう訳か簡単に出会っては直ぐに懇ろな関係になる。
別に脅したりすかしたりした訳でもなく、女の方にもその気があったようだ。
余程モテた男と言うしかない。
簡単に言えば女性遍歴の集大成だが、哀しいかな、女たちの別れがあっけなく、その後の消息も知れずとしているところが哀しい。