愛に恋

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誘拐 本田靖春

 
初版は1977年で、かなり昔の本になるが最近、ちくま文庫で復刊され、それを買って読んでみた。
吉展ちゃん事件扱った本で、私が物心ついた頃の、最も有名な大事件だった。
身代金目当ての誘拐殺害事件として残忍な犯罪だが、改心してからの犯人小原保を見ていると死刑制度の在り方を深く考えさせられる一冊となった。
 
当時を思い返してみたが、頻繁にラジオなどで流れていた犯人の「声」に関しては聞いていたはずなのに私自身まったく記憶がない。
あれはいつ頃だったか、20~30年前か、NHKで『声』という特集番組があっり最後の岡っ引きと言われた平塚八兵衛と小原保との攻防戦で録音された尋問の遣り取りが、字幕付きで放映され非常な興味を持って見ていた。
当時の大事件を少し調べてみたが。
 
浅沼稲次郎暗殺事件、昭和35年10月12日。
名張ぶどう酒事件、昭和36年3月28日。
吉展ちゃん誘拐殺人事件、昭和38年3月31日。
狭山事件、昭和38年年5月1日。
力道山刺殺事件、昭和38年12月8日。
 
この三年余りに全部集中しているわけだ。
因みに吉展ちゃんがもし生存なら今年59歳ぐらか。
しかし、先にも述べたが獄中から平塚八兵衛に送られてくる手紙を読んでいると、どんどん、心が浄化されていく小原。
死刑判決を受け、初めて人間らしい心を取り戻したような小原を見ていると、これほどまでに更生した人間でも、やはり死刑にするべきなのか、少し考えさせられる。
 
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