ロッパの随筆を読むのは『ロッパの悲食記』に続いて2冊目だが、この人は本当に美食家だったんですね。
前回に比べて、それほど食の話しは出てこないが、それでも飯のネタは尽きない。
それをエネルギーにかどうかは知らないが、脚本家でもあり読書家だったロッパは何処に行くにも本を手放さなかった。
当時の流行作家の批評なども散見される。
いずれも故人だが、それだけに私の知らない時代の話しが満載。
主に昭和23年頃のことが多い。
随筆というのは小説と違って見聞したことの積み重ねなので私が生まれる前の実話を読むのは不可思議な空間を覗き込むようなで堪らなく愉快だ。
惜しまれるのは、ロッパは飲みすぎに食べ過ぎ。
そのために命を縮めた。
以前にも書いたがロッパには『昭和の日記』として『戦前編』『戦中編』『戦後編』『晩年編』という長大な日記があるが、あれは文庫化するべきではないか。
あんな重たいものは持ち運び出来ないし値段が高過ぎる。
折角残されたものは後世読書家の財産でもあることからして多くの人に読まれなければ意味がない。
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