愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

沖で待つ 絲山 秋子

結婚した親しい会社の男子社員と生前、ある約束をしていた。どちらかが死んだら、それぞれ合鍵を使ってパソコンに残された秘密の情報などを全て消去する。あっけなく死んでしまった、その同僚のアパートに忍び込み、まるで犯罪者のように悲しみを抑えパソコンに向かう女性の話だが、私としてはそれほどの感動はない。直ぐにストーリーを忘れてしまいそうだ。とにかく芥川賞直木賞となれば、ちょっと読んでみようかというのが習性なのだ。他に『勤労感謝の日』はお見合いの席を蹴って帰るような話で、『みんなのしまのぶんたろう』は全編ひらがなで読みづらかった。