愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 もののあわれ

『荒城の月』の作詞者、土井晩翠戊辰戦争で官軍に落城させられた会津鶴ヶ城や出身地・仙台の青葉城などから着想を得たという。滝廉太郎は、少年時代を過ごした竹田の岡城から、とされた。今は、いずれの地にも『荒城の月』の碑が建てられている。この二人は明治35年8月、生涯に一度だけ会っている。ヨーロッパ遊学中の晩翠は、病気でドイツ留学から帰国を余儀なくされた失意の滝を、英ロンドン郊外に停泊中の若狭丸に訪ねた。対照的な立場に置かれた2人の邂逅も「もののあわれ」でなかったか。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。あれは30年以上も前のこと。その滝廉太郎の石碑だけになった旧家跡を訪ねたことがあった。遠い明治の昔、若くして逝った滝廉太郎とは如何な人だったか。今に歌い継がれる名曲を残して。おやすみなさい、また明日。