愛に恋

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すぐ死ぬんだから 内館 牧子

終活なんて一切しない。それより今を楽しまなきゃ。78歳の忍ハナは、60代まではまったく身の回りをかまわなかった。だがある日、実年齢より上に見られて目が覚める。「人は中身よりまず外見を磨かねば」と。仲のいい夫と経営してきた酒屋は息子夫婦に譲っているが、問題は息子の嫁。自分に手をかけず、貧乏くさくて人前に出せたものではない。それだけが不満の幸せな老後だ。「年なんだから楽が一番」リュックは楽だし、両手が開いて安全で、老人にはピッタリ。であればこそ、病気でないなら拒否する気概が必要。男も女も登山帽という、スーパーで売っている安っぽい帽子を被っている人が多い。確かにハイキングに行くような格好の中年女性は多い。つまりセルフネグレクト、自分で自分を放棄する。人生100年時代、そんなことでどうするという本だ。