愛に恋

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江戸の骨は語る――甦った宣教師シドッチのDNA 篠田謙一

ジョヴァンニ・ヴァティスタ・シドッチという伴天連を知っているだろうか。

私はまったく知らなかったが、歴史的には非常に有名なイエズス会の宣教師らしい。

捕まれば死罪もあり得る野蛮な日本に、単身上陸するなんざ大した度胸というしかない。

ローマを出航したシドッチは、マニラで4年間みっちりと日本に関する情報を集め、1708年10月屋久島に到着。

併し、あっさり捕縛され、長崎から江戸に護送、そこで幕政の実力者、新井白石の尋問を受けることになったが、そのあらましを白石は『西洋紀聞』『采覧異言』に著したので、これは是非読んでみたい。

シドッチが江戸切支丹屋敷で亡くなったのが1714年、それから丁度300年後に遺骨が発掘され、著者である国立科学博物館副館長篠田謙一氏のゲノム解析、DNH分析となるわけだが難しい、私に解かるはずがない。

要は発掘された3つの遺体、2人はシドッチの身の回りの世話をしていた日本人夫婦で、残る一人がヨーロッパ人のシドッチであるかどうかを最新科学で検証していく結果を書いてある。

ともあれ日本では発掘から解析、発表までいろいろな縦割り弊害があってなかなかに難しいようだ。