長与善郎は白樺派の文人だが、過去に『青銅の基督』とを読んでいるが、すっかり内容を忘れている。
故に長与氏に関しての知識もないまま、古書店で初版本の本書を手に取り何も分からないまま購入してみたが、どうも本作を読んだ人がネットの中では見つからず、他の人の感想を知ることが出来ず残念だ。
まずは『その夜』というからには、その夜に向かって読み進めるが、その夜が、どの夜なのか分からないまま終わってしまった。
複数の登場人物の身の上に立って、視点を変えていくあたり非常にまどろこしい。
私小説なのか特有の「A]などという匿名扱いされる友人が多数出て来て紛らわしい。
今日、文庫化された形跡がないように、あまり売れなかったのではあるまいか。
ブログ村・参加しています。