少女たちの魔女狩り―マサチューセッツの冤罪事件 マリオン・L・スターキー

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本題を前に少し調べてみたがアメリカ社会に於けるプロテスタントの割合は、1955年に70パーセントに達し、それが戦後はもっとも高い数字だったとある。
では、戦前はどうだったのか。
いや、新大陸発見後の経過を辿ると、そもそも先に渡ったのはカトリックだった。
しかしその間、プロテスタント出現と宗教改革、続いて宗教戦争が起こり、1620年、メイフラワー号をきっかけとして新教徒が相次いで入植、先発のカトリックやインディアンと敵対しながら勢力を伸ばしていく。


そして1692年2月29日、マサチューセッツ州セイラム村で3人の女性が魔女として逮捕された。
魔女裁判は17世紀中頃には、ヨーロッパの多くの地域で衰退し始めていたにも関わらず。
その結果、200名近い村人が魔女として告発され、19名を処刑、1人が拷問中に圧死、5名が獄死した。
カトリック全盛のヨーロッパの話ではない。
プロテスタントの国アメリカで起こった事件として有名になった。

無実とされる人々が次々と告発され、裁判にかけられたその経緯は集団心理暴走の怖さを物語っている。
暗黒の中世、ヨーロッパ全土を襲った魔女狩りの怖さは拷問である。

例えばこんな風に。

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必然的に自白せざるを得ない。
つまりは残虐無比な責めに遭い、苦しさまぎれに嘘を告白してしまう。
そして死刑、こんなバカな話がまかり通る社会だったわけで、一体に、ローマ法王庁はこれを是認して来たところからしておかしい。

 

一度、どれだけ悪逆非道な拷問が行われてきたか調べてみるといい。
ヨーロッパ全土で数万の人が殺害されたというではないか。
しかるに魔女として告発された人は全て無罪だったわけになる。
こんな大掛かりな冤罪事件は歴史上類例は見ない。
宗教とは拷問、死刑、戦争を齎す最悪な思想と言っても過言ではない。
いったい有史以来、宗教の名のもとにどれだけの人が殺されてきたか。


いやいや、ついつい熱くなってしまった。
ところで本書だが、あまりお薦めとはいえない。
少し専門的すぎる。
ノンフィクションにありがちな細部に亘って書かれているので、素人としてはそこまで書かなくてもといいたくなる部分が多い。
更に登場人物の多さと、読むに疲れるその人たちの経歴など。
時に、自分が何を読まされているのか分からなくなる。
だからといって、斜め読みや飛ばし読みなどしないタイプなので、やたら時間を喰う。
まあ、本読みとしてはこれも修行のうちとして諦めているが。

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この写真は1945年に写された観光客の記念撮影だと思うが、魔女裁判が行われた場所でもあり、刑務所だったとある。