愛に恋

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伊藤野枝 1895年1月21日-1923年9月16日 (28歳)

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野枝さん、今日は貴女の命日ですね。
あれから95年も経ったそうですよ。
貴女と一緒に殺害された橘宗一少年ね、あの子、私の父より1歳下なんですよ。
可哀そうなことをしましたね。
子供まで殺すとは、卑しくも帝国軍人のすることではありませんね。
 

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ところで野枝さん、被告席に立った甘粕憲兵大尉ですがね、公判中、こんな場面があったんですよ。
判事だったか検事だったか忘れましたが、甘粕のお母さんの証言を朗読したんですが、その中でこう言っているんですが。
 
「あの子は子供を殺すような人間じゃありません」
 
と言われ、返答を求められると確か甘粕は言葉に窮して思わず落涙したとあるんですが、野枝さん、貴女が最後に見た男は確かにこの人物でしたか。
よく見て下さい、甘粕大尉です。
 

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実はね野枝さん、かなり後の話ですがあなた方3人の死因鑑定書が見つかりましてね、それによると裁判で述べた甘粕の言う殺害方法とは異なった事実が出たんですが、どうですか野枝さん、あなた方は寄ってたかって憲兵隊本部で殴り殺しにあったんではないですか?
 
ここは重要な点なんですが、どうでしょうか!
多くの歴史家が知りたいと思っているんですよ。
あと5年もすれば没後100年になります。
今直ぐにとは言いません、100年を記念して真相を明らかにしてもらえませんか。
このままではあなた方も浮かばれませんから、どうか宜しくお願いします。
あっ、そうそう、貴女の写真ね、生前最後のものになってしまいましたね。
それとお墓ですがね、まあ当時のことですから人目を偲んでといいますか、墓というより目印変わりに石が置いてあるそうですよ、まあ見て下さい、大きな石ですよ。
 

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とにかく私も真相を知りたいひとりですが、まあ今日はこれで失礼しますね。