愛に恋

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のち更に咲く 澤田瞳子

この人の経歴については以前にも書いたような気がするが、同志社大学文学部文化史学専攻卒業。同志社大学大学院文学研究科博士課程前期修了とまあ輝かしいばかりで、このぐらいの学歴がないとこういう小説は書けないのか、しかし私の苦手な平安期の話。格調高く書かれてはいるが、現代風にいえばサスペンス・ミステリードラマのようなストーリーだ。藤原道長の栄華を転覆させようと都を暗躍する盗賊たち。道長邸で働く女房・小紅は、盗賊の首魁が死んだはずの兄との噂を知り探索を始める。その過程で権力を巡る暗闘とそれに翻弄される者たちの恨みを知った小紅は、やがて王朝を脅かす秘密へと辿り着く。紫式部和泉式部も巻き込んで咲き誇る平安ロマンにあっての謎解き。