愛に恋

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『人生と運命』(全3巻)ワシーリー・グロスマン著 齋藤紘一訳 

20世紀ロシア文学の最高峰。第二次世界大戦で最大の激闘、スターリングラード攻防戦を舞台に、物理学者一家をめぐって展開する叙事詩歴史小説(全三部)。兵士・科学者・農民・捕虜・聖職者・革命家などの架空人物、ヒトラースターリンアイヒマン独軍赤軍の将校などの実在人物が混ざりあい、ひとつの時代が圧倒的迫力で文学世界に再現される。戦争・収容所・密告、スターリン体制下、恐怖が社会生活を支配するとき、人間の自由や優しさや善良さとは何なのか。権力のメカニズムとそれに抗う人間のさまざまな運命を描き、ソ連時代に「最も危険」とされた本書は、後代への命がけの伝言である。1600頁はあろうかという大長編、価格もみすず書房なれば3冊で15,000円ぐらいするのか、こういう本こそ挑戦のし甲斐があるというものだが、なんでも登場人物も生半可ではなく、それだけでも骨が折れる。東欧の人の人物名は読みづらいんだよね。まず古書店では売ってない。