愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 『サド侯爵の生涯』

一般的にサドやマゾという単語は知っていても、サゾとは何ぞやと言われてはっきり答えることが出来ない人は多かろう。澁澤龍彦の『サド侯爵の生涯』によると、「サドの性欲が肛門愛的であることを認めた。性器前的体制の第二段階は肛門愛的であり、第一段階は口唇愛的もしくは食人者的である。サドのうちに、この小児的段階が二つながら永続していたことを認めるのは、さして困難なことではなかろう。その作品においても、彼は食欲の饗宴とエロティックな饗宴とを緊密に結びつけて考察している。鯨飲馬食ほど淫蕩に近しい道楽はない。と彼は、その作中人物にしばしば語らせている。そして、この二つ欲望の同一化は、人肉嗜食の幻想にいたって完結する。人肉嗜食の幻想は、フロイトも確信している通り、わたしたちの小児期において、分析的研究によって確認し得るものがあり、それが食人的体制と呼ばれるものであった。」「ムーンライト・セレナーデ」の時間です。併し、人肉嗜食とは何ぞ。まさか『佐川君から手紙』よろしく、本当に人を殺して肉を食べるというわけなのか?いくらサディスティックでもそんなバカな、佐川君じゃあるまいし猟奇的なことまでは出来ないが。おやすみなさい、また明日。