愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」  ラファエル前派

私はラファエル前派の作品があまり好きではない。彼らの特徴は、まず色彩の鮮やかなこと、古典や同時代の文学作品、説話、伝説、そして聖書から主題を取った物語絵であり、非常に幻想的なものであることだ。神話や伝説を好み、ずばぬけた想像力をもつ青木繁が、これらに共鳴するのは簡単に頷ける。たとえ外光派が画壇の主流を行こうとも、青木は自分の感性に合い、想像力により刺激を与えてくれる画風を好んだ。ロセッティの作品の中で青木への影響ということでは、美人画を挙げなければならない。画の中の特徴は、顎が少ししゃくれていること、大きい目、そして首を少しひねったポーズであること。また彼は、モローと同じように官能と魔性を描く画家だった。具体的にいえば、男を誘う妖しい雰囲気、いつかは男を破滅させる危険な匂い。彼は、こういった女の隠れた本質を求め続ける画家だった。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。最近、「ムーンライト・セレナーデ」の記事が長くなってきた。悪しからず、おやすみなさい、また明日。