愛に恋

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ムーンライト・セレナーデ 青木繁は日高有倫堂から「画稿集」

明治38年青木繁は日高有倫堂から「画稿集」を出そうと思いついた。画を描いてそれに詩をつけてもらおうというわけだ。蒲原有明、岩野泡明、与謝野鉄幹、晶子を予定し、必ず売れると思っていた青木は「陳者唯今非常に砕少の金銭に差つかへ居り候て困却此上も無く來十日午後書店の方より計算の約在れば其迄の處何とか少し御立替御都合被下間敷哉・・・、米櫃空しき有様何卒御憐察被下度、申上げ兼ねては心一ぱいなれども何分に酸痛の至り切なきままゝ」と梅野満雄に三円の借金を申し込んでいる。「画稿集」は出したいが何分金がないのでと懇願しているが、まるで貧窮問答歌のような手紙気の毒だ。私もその昔、畑から玉葱を盗むとまで追い込まれたことがあったが。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。一日が早く過ぎていますね。ではまた明日、おやすみなさい。