愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 女遊びは芸の肥やし

昔から「女遊びは芸の肥やし」などと言われるが、下世話に五十男に処女を捧げた女と、年増女に童貞を破られた男くらい仕合せなものはないと言われている。小説家の小島政二郎の話に、子供時代、新橋に洗い髪のお妻という有名な芸者がいた。先代の羽左衛門は天下の美男子だったが、まだ二十歳代の頃、この洗い髪のお妻のおめがねに叶って、いろの緒訳を仕込まれた仕合せな男の一人で、昔の芸者にはそんな剛毅な女がいたとはよく聞く話だが、政二郎は、我々などの遠く及ばないエステリックの境地にまで到達しいたに違いない。エステリックというのは「その道の奥義を授けられた人」というほどの意味と羨ましがっているが、先代の羽左衛門とは誰か。小島政二郎明治27年-平成6年までと100歳まで長生きしたので、明治7年-昭和20年まで生きた十五代目 羽左衛門のことか。昔は「小島政二郎より早く死ぬな、何を書かれるか分からない」などと陰口を叩かれた作家だった。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。連日、水難事故があとを絶たない。こんなことで命を散らしては勿体ない。お気をつけあれ。おやすみなさい。