愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

「ムーンライト・セレナーデ」 『方丈記』

鴨長明の『方丈記』は1212年の作といわれているが、このサイズを表す「方丈」こそ、現在のほぼ四畳半に当たる。同時に、寺の住持の部屋を「方丈」とも呼ぶようだ。京都加茂御祖神社の神職の家に生まれながら、若くして父母を失い、出世の道を閉ざされた長明は、京都、奈良の県境にある山里・日野に庵を結び54歳の頃、この方丈の庵で寝起きし『方丈記』などを執筆、62歳で死を迎えた。こうした中世遁世者たちの草庵が、侘茶に相応しい場として草庵茶室モデルとされた。残念ながら四畳半の部屋に住んだことはないが、男やもめに蛆がわくの譬えとおり、ゲジゲジ、ムカデ、鼠の棲家となる日も近い、毎日を送っている私です。そんな世を忍ぶよすがこそ駄目男の正体なんです。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。明日はまた雨の予想、困ったもんです。おやすみなさい。