愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

平成文学(読書録)

コンビニ人間 村田沙耶香

まあ、こんなことを言っては失礼な話しだが、そもそも、芥川賞受賞作に名作というものがあるのだろうか。 私も全ての作品を読んだわけではないので一概に断定できるわけではないが、どうも物足りなさを感じる。 これで終わり! みたいな読後感をいつも味わう…

こちらあみ子 今村夏子

文学作品、特に感動小説などと言われるものは読む年齢によって受け止め方も違ってくるのだろうか。 昔、『二十四の瞳』を読んで感動のあまり小豆島まで行ってしまったことがあるが、 60を超えた今、初めて『二十四の瞳』を読んだとしたら果たしてあれほどの…

火花 又吉直樹

研ぎ澄まされた感性というのは高価な濾過器みたいなものだろう。 飲むに値する清涼飲料水を常に提供するだけの装置を兼ね備えているわけだが、これが芸術家の濾過機となると、清濁併せ呑ませる奇怪な濾過機を必要とするから一般販売はしていない。 才能が濾…

君の膵臓をたべたい 住野よる

テレビ欄や本の帯などで最近よく目にする「必ず」というフレーズ。 曰く。 「必ず泣ける本」 「必ず泣ける映画」 「必ず泣ける曲」 そう聞いただけで引いてしまうのは年齢の所為なのか性格なのか。 私は、この歳になるまで小説で泣いたことは3回しかない。 …