愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

落日燃ゆ 城山三郎

f:id:pione1:20200613082010p:plain

昔、滝沢修さん主演のスペシャル番組『落日燃ゆ』を見たのが弘田弘毅を知るきっかけだった。

番組放映はいつだったか、調べてみると昭和51年とある。

A級戦犯7人のうち、ただ一人文官として処刑された弘田弘毅。
二・二六事件後に首班指名された総理大臣で、外務大臣には4回就任している。
政治的なことはあまり書かないが、私から見ても何をか況やの判決だった。

奥さんの名は静子、父は月成功太郎といって、大隈重信襲撃事件では必ず名が出てくる。

静子が巣鴨プリズンに収監されている夫を面会したのは昭和21年5月17日。
翌18日払暁、藤沢市鵠沼の別邸で自害された。
裁判の行方を見ることなく自害されたのはよくよくのことだろう。

二人は幼馴染で生涯相思相愛を貫いた仲だったが、連行される当日、仏壇を拝んでから静子夫人を抱きしめる場面がある。

自害を前に子供達に言った言葉は、


「パパを楽にしてあげる方法がある」

 

毅然としたその態度に深い感銘を覚えた。

判決の日、「被告、広田弘毅を絞首刑に処す」と聞いた広田氏はイヤホンを机に置くと、2階傍聴席の二人の娘さんに軽く会釈をする場面があるが、その映像は『東京裁判』で見ることが出来る、私もDVDを買ってしまった。
公判中、殆ど目を開かず一切の弁明もしなかった。

広田夫妻は福岡の出身と思うが新婚旅行は江ノ島で結婚は明治38年
当時の江ノ島とはどんな所だったか、今とどう違うのか興味をそそるが、その時、買ってもらった貝細工の指輪を生涯大切にしていた夫人だった。

 

ポチッ!していただければ嬉しいです♡ ☟