原由子の謎と言っては大袈裟だが、彼女の場合、芸能人といえるのかどうか、本人は芸能人という意識が希薄なのではなかろうか。
日々、何を思いどんなことに関心を持って生活しているのか、新聞の連載を読んでいなかったので本書が出るのを待っていた。
彼女を見ていると、浮気、不倫とは程遠い神聖にして犯すべからざる存在のように思うが、そんな彼女の感性を充分垣間見ることが出来る一冊で、興味深く読ませて頂いた。
中でも少女時代の私に伝えたいこととして。
「今は気づいてないでしょうけど、これから沢山の人に出会って、自分でもびっくりの面白い事がいっぱいあるんだよ。いじけてばっかりで、夢も希望も持てない!な~んて思っているみたいだけど、人生そんなに捨てたもんじゃない」
確かに往く山河超え去りゆかば、本当に誰がこんな人生を予想出来たか、一見、優しさの塊のような人だが、そればかりではなく芯の強い個性的な女性なのかも知れない。
若い頃からクラプトンやレオン・ラッセルが好きだったというが、果たして私の周りに昔、そんな女性が居たかというと皆無だったが。
あの風貌からは伺い知れぬ魅力がまだまだ詰まっているのが、原由子の実像だろうか。