愛に恋

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エディット・ピアフという生き方 山口路子

 
何の問題も起こさず真面目に生き抜くということはいい事だと思うが、反面、ゴシップとスキャンダルに彩られたこのような人たちをどう見ればよい。
ビリー・ホリディ、ジュディー・ガーランドエラ・フィッツジェラルドマリリン・モンロービビアン・リージャニス・ジョプリンなど枚挙に暇がない。
 
ジェームス・ディーンは車のCMで「運転には気を付けろよ」といいながらスピードの出し過ぎで激突死。
ビビアン・リーは殆どストーカーに近く、結婚離婚を繰り返し複数の子供を持ったエリザベス・テーラー
複数回結婚して子供を残さなかったモンロー。
 
だが、奔放な男女関係を送ろうが、酒、ドラッグ、セックスに溺れようが彼等の名声に変わりはない。
ピアフが路上で生まれたかどうかは別にして、あの小さな体で世界を魅了、しかし薬物依存から抜け切れず47歳で死去した頃は老婆のようだった。
彼女が遺した偉業、それは歌ばかりではない。
アズナブール、モンタン、ジョルジュ・ムスタキやフランシス・レイなど才能ある無名の新人を発掘するのが上手かった。
 
だが理解出来ないこともある。
あれほどまでに引っ切り無しに恋愛が出来るものだろうか。
身長147㎝で決して美人ではないが男を絶やしたことがない。
中でもマルセル・セルダンの死をどう見たらいい。
世界チャンピオン後の突然の飛行機事故。
ピアフは発狂寸前だった。
自殺しなかったのが嘘のようだ。
あれほど孤独を嫌い淋しがり屋の女が。
 
激動の人生を歩んだ女は数多く居るが、とてもじゃないが、あのようには生きられない。
彼女は言っている。
 
「もし生まれ変わったら、また同じ人生を歩みたい」
 
著者は書く。
 
「恋愛激情期を超えたところに真実の愛があり、それは激情とは無縁の安定した心穏やかな世界なのだという人もいる。ピアフはそういう愛には適応しなかった。彼女がそれを軽蔑していたのでも、避けていたのでもない。むしろそれを得たいと思っていた。けれど結果的に適応しなかった」
 
私自身は、今まで型に嵌り切れない破天荒な女性をあまり見たことがない。
大の男好きという女性なら何人か知っているが破滅型に生きる人は知らない。
果たしてこういうタイプの女性と巡り合ってしまったら男はどうしたらよいのだろうか。
一度、経験するのも一興か!
 

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