本書は652頁もある大長編で、やたらと心理描写や情景描写が長い。私にしてはやや読みづらいものだった。著者は2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞の受賞者で、それを読んだ時にはあまり印象に残らなかった作家だったが、これだけ長いと作家の気持ちに寄り添うようになって来る。テーマとなるのは非配偶者間人工授精(AID)で、夫婦の意志を十分に確認したうえで、無精子症など絶対的男性不妊の場合に適用される方法で、主人以外の男性ドナーの精液を使用し人工授精で妊娠を試みる技術だが、問題は精子の提供者を知ることが出来ず、提供者も自身の精子がどの夫婦に用いられたかを知るが出来ない。成長した子供が事実を知った時に、父親が本当の親ではないことに苦しむという点にある。主人公の夏子は過去に一人しか男性経験がなく、セックスが自分には合わないと思い、AIDを希望するようになる。そんな中、実際にAIDで生まれてきた男性と知り合い、その男性の苦しみを訊くうちに自身のこれからについて悩みだす。
ケイティ・ペリー Part.7
2015
2012)
2019
2009
(2010)
(2010)
2009
2010
ケイティさん、やっとアナタみたいな人を見つけました。
アナタみたいな人が理想だったんですよ。
スタイルといい顔といい、もうまさしく私の好みなんですよ。
アナタと歩き、アナタのレストランに行き、アナタと住む、そんな人生が夢なんです。
ヒエロニムス・ボス 1450年頃 - 1516年8月9日
「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。「お染風」
『半七捕り物長』の作者、岡本綺堂が若い頃の東京は、まだ江戸の情緒が残っていた。インフルエンザが猛威を振るった明治23年から翌年にかけて、江戸時代に流行った「お染風」の呼び方が復活する。歌舞伎や浄瑠璃の演目「お染久松」で、お染が久松に惚れる場面のようにすぐに感染するからだ。20年目後に発表した随筆には、向島で出会った農家の若い娘が出てくる。白い手拭いをかぶって軒先に「お染るす」と書いて紙札を貼っていた。お染が訪ねてこないようにの、おまじないである。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。それから100年以上経った現在でも、インフルエンザばかりかはしかも流行っているらしい。今や「お染風」の復活である。国民こぞってドアに「お染るす」と貼った方がよござんす。おやすみなさい、また明日。
大名倒産 (下)浅田次郎
相対的に面白い設定で尚且つ読み応えのある内容だったが、個人的には全編シリアスな話でも良かったようにも思う。「新田の開拓」「産業の奨励」「節倹の徹底」など、苦労した末の返済にして欲しかった。七福神や福の神、貧乏神といった非現実な神々の出演は要らなかった。そういう面では後半はイマイチだった。まあ、逆の感想もあろうが。
ナタリー・ウッド Part.8
1969
ナタリーさん、アナタ、年々色っぽくなってきてますね。
いい女は、中年になるほど良くなるんですよ。
だんだん惚れてきましたよ、アナタの大きな目もぞくっときます。
そういう目で私を見つめてください。