愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 遠藤武者盛遠と深草の少将

長谷川一夫の『地獄門』という昭和28年の映画を観たことがあるだろうか。平清盛厳島詣の留守を狙って起された平治の乱で、袈裟(京マチ子)の車を譲る遠藤武者盛遠(長谷川一夫)は、袈裟の美しさに心を奪われ論功行賞に際し、清盛から「望み通りの賞を与える」と言われるや、速座に袈裟を乞うが彼女はすでに御所の侍、渡辺の妻だった。にも拘わらず盛遠は袈裟に言い寄るストーカーのような作品だが、昔は女を得ようとするには真心を知ってもらう事が第一と思い「深草の少将いかでか小町を忘れかね、憂き思いを訴へんとて百夜(ももよ)も通ひたりけりに知る人みな心を動かせり」というが肝心の小町の心は動かせなかったらしい。それほどまでの平安の世は浮き世の色香に男は惑っていたのだろう。私も惑ってきた一人なりけり。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。今日は来月、大腸がんの手術をする元カノに会って来た。元気で次回また会えることを祈っている。また明日、おやすみなさい。