『随感録』の随感とは感じたままという意味。
『濱口雄幸遺稿集』として発売されたもので、 濱口雄幸(おさち)は昭和初期の総理大臣だが、昭和5年11月14日、昭和天皇行幸付添いのため東京駅現10番線ホームを歩いていたところを狙撃された悲運の人。
『濱口雄幸遺稿集』として発売されたもので、 濱口雄幸(おさち)は昭和初期の総理大臣だが、昭和5年11月14日、昭和天皇行幸付添いのため東京駅現10番線ホームを歩いていたところを狙撃された悲運の人。
この本は10年程前、古本市で偶然見つけたもので、NHK「その時歴史は動いた」の濱口首相を特集した回で初めてその存在を知ったのだが、どの道、あまりにも古すぎて手に入らないと思っていた。
私が発掘した物は、随分と古びた年代物で、奥付けを見ると昭和6年9月14日発行とあり定価は金一円。
私が発掘した物は、随分と古びた年代物で、奥付けを見ると昭和6年9月14日発行とあり定価は金一円。
銃弾を受け、全快しないまま激痩せの状態で国会質疑に登場した濱口は、周囲を驚かせたが結局は助からなかった。
死去は昭和6年8月26日なので急いで出版したことになる。
確か濱口さんの書籍はこれ以外ないと思う。
「内に固有の文明を発達せしめ外に他国の文物の長所を容るるに於いて初めて自国の文化を創造する」
今の世にも通ずる内容だが、濱口さんは勉強家ではあったが読書家ではなかった。
確か濱口さんの書籍はこれ以外ないと思う。
「内に固有の文明を発達せしめ外に他国の文物の長所を容るるに於いて初めて自国の文化を創造する」
今の世にも通ずる内容だが、濱口さんは勉強家ではあったが読書家ではなかった。
「書物などというものは一冊の本を熟読すれば事足りる」
などと言っている。
こんな本を読む人など稀かと思っていたら、近年(2011年)講談社学術文庫で復刻していることを知り、まずは目出度い。
こんな本を読む人など稀かと思っていたら、近年(2011年)講談社学術文庫で復刻していることを知り、まずは目出度い。
因みに下の写真、とあるガラクタ市で手に入れた代物。
一見 なんの写真だか、何ら説明書きもないので分からないが、私は直ぐに了解した。
最前列中央のシルクハットに右手を掛けている人物。
紛れもなく濱口首相で、この風貌からして、おそらく遭難直前ぐらいのものかと推察する。
書籍、写真共々、どものような流転を辿って私の下に遣って来たのか興味は尽きない。