愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

掃除婦のための手引き書  ルシア・ベルリン

死後10年を経て再発見された、奇跡の作家らしいが、評判が高かったので読んでみた。実体験とフィクションを混ぜた短篇集で、少し哲学的な要素もあるので、私としてはやや解かりにくかったが、上手い表現には魅せられた。曰く「幸せを冷凍保存する」「犯罪者の頭と詩人の頭は紙一重」「溜息も、心臓の鼓動も、陣痛も、オーガズムも、隣り合わせの時計の振り子がじきに同調するように、同じ長さに収斂する」など起伏に飛んだ人生を送ってきた表現の賜物だろうか。然し、何と言ってもジャけの写真がいい。また、私と違い多くの人の共感を呼んでいる。