愛に恋

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復刻・火野葦平「バタアン半島総攻撃従軍記」

『バタアン半島総攻撃従軍記』つまりバターン死の行進で有名なフィリピンのバターン半島の事です。

この戦いで日本軍はコレヒドール要塞を占領してフィリピン全域を完全に制圧。

アメリカ=フィリピン軍が降伏したが、然し、予想を遥かに超える捕虜を抱えた日本軍は、捕虜収容所へ移動させるために,マリベレスから 30km離れたバランガまで徒歩で行進させ、7万人中,目的地に達したのは5万4000人でアメリカ兵 2330人を含む 7000~1万人が行進中に死亡。

敵将マッカーサーに唯一、一敗地に塗れる汚点を残せたことは良かったが、戦後,フィリピン攻略軍司令官の本間雅晴中将が責任を問われ,アメリカ軍によって処刑された。マニラ裁判での被告本間中将の映像が残されているが、法廷に呼ばれた妻が放った答弁が聞くものを泣かしむるものとして有名になった。

著者火野葦平はこの戦いの従軍記者として同行し、兵と共に戦況を書き、それが戦後GHQにより没収され、焚書となった幻の本の復刻版になる。

そのため、戦後は戦犯作家として指弾され、その後、筆力を揮って再び活躍したが、昭和35年睡眠薬を用いて自殺した。

最期に死の行進の問題だが両軍の食料事情を考えると、確かに炎天下の行軍には無理があったと思うが、他にどんな方法があったのか、私のも分からない。