愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

古書店 いちょう

今日という今日は本当に驚いた。
病院からの帰り道、いつもと違った道で帰ってみようと思い、暫くぶりの通りを走って緩やかなカーブを差し掛かり、左折するといきなりこの看板。
ええ、こんな所に古本屋なんかあったかな。
先ずは喜び勇んで入ると、椅子に座っていた中年女性が立ち上がり「いらっしゃいませ」「ああどうも」「どうぞゆっくるご覧くださませ」「あ、はい」と言うと、その奥から次々に「いらっしゃいませ。いらっしゃいませ。いらっしゃいませ。」と、車椅子に座っていた障がい者の男性たちが挨拶する。
全員が何やらパソコンで仕事をしているようだが、ざっと見るに本棚の数からそんなに多くの本を扱っているとは思えない。
さらにまた「何かお探しでしょうか」「いえ、単なる通りすがりですから」とは言うものの、どうも私好みの本など置いてないようだ。
だが、本の安いのは結構だが、健常者を合わせると、その数10人ほど。
普通なら臆してしまいそうな雰囲気だが、そこはダメオ、話しかけてくる人にはそれなりに対応するが、然し、障がい者の店に入って何も買わずに出るということはさすがに出来ない。
仕方ない、ここは3冊ほど選んで帰るしかあるまいて。
3冊で300円、この店はおそらく寄付で運営しているのだろう。
ともあれ、障がい者の人が働ける場所があるということは倖せなことだ。