たかが121頁の本だが殆ど会話がない小説で読みにくかった。
芥川賞受賞というころで買ったのだが、どうもピンとこなかった。
結婚すれば世の中のすべてが違って見えるかといえば、やはりそんなことはなかった。互いに二十代の長く続いた恋愛に敗れたあとで付き合いはじめ、三十を過ぎて結婚した男女。
不安定で茫漠とした新婚生活を経て、あるときを境に十一年、妻は口を利かないままになる。
遠く隔たったままの二人に歳月は容赦なく押し寄せる。
夫婦が十一年間も口をきかずに生活するとはどうも実感が湧かない。
それなら離婚した方がいいと思うが。