【AB通信:オドロイター発】
日本史上、箱館政権、または蝦夷共和国なるものを聞いたことがあるだろうか。
幕末、東北地方は薩長連合などから作られた朝廷政府に対抗して奥羽列藩同盟を組織して、北上する官軍と対峙。
それら旧幕府軍を糾合した幕府海軍の指揮官、榎本武揚が艦隊を率い函館に上陸、新政府軍を撃破し五稜郭を占領。
榎本は五稜郭に入城し、蝦夷地平定を宣言し、士官以上の選挙により総裁となる。陸軍奉行並には新選組の土方歳三も加わっている。
榎本は国際法に明るく蝦夷地を共和国として新政府から分離独立を考えていたのだろう。
然し翌年、薩摩の黒田清隆率いる政府軍に破れ投獄される結果になってしまった。
現在の台湾情勢はこれにそっくり。
戦後、大陸での国共内戦で敗れた蒋介石は台湾に逃れ中華民国樹立を宣言。
中国政府はこれを認めずひとつの中国というなら、なぜ、朝廷を代表する岩倉具視が蝦夷独立を拒否して、新政府軍を函館に送って蝦夷を平定したように、もっと早く、毛沢東が台湾に人民解放軍を送って台湾平定しなかったのか。
今となっては遅きに失した感が否めない。
幕末の蝦夷人と違って現在の台湾人は独立意識が強い。