鑑賞『インドシナ』カトリーヌ・ドヌーヴ主演のフランスの映画で、1930年代のフランス領インドシナを舞台としたドラマ。
戦前、日本では仏領インドシナ(仏印)と言われた地域のことで、現在のベトナム辺りを指すが、確かその時代には安南人と言われていたと思う。
その安南の王族である友人夫妻を飛行機事故で失い、遺児のカミーユを養女として、遺産である広大なゴム園の経営も引き受けたドヌーヴの前に現れた、フランス軍大尉と熱烈な恋愛関係になるのだが、脚本はどうなのか知らないが、あまりにも陳腐な始まりで直ぐ熱愛というのは見ていて違和感がある。
それにどう見てもドヌーヴの方がかなり年上。
更に首をひねるのは、ちょっとした事件に偶然居合わせた大尉がドヌーヴの養女を救ったことで、養女が大尉に「アナタなしでは生きていけない」とはお笑い種だ。
ドヌーヴと少女のような養女が同じ男性を好きになるという設定には、さすがにこの映画が失敗作だと思わざるを得ない。
それならドヌーヴじゃなくもっと若い30代ぐらいの女優をキャスティングするべきだった。
インドシナに独立戦争が起こり始める頃だが、製作費の高さからみても、もっと政治的な色合いを強めた方が良かったように思う。
全般的荒唐無稽なあらすじばかりで単なる色恋沙汰になってしまっている。